特別イベント

2016年10月31日(月) 19:30~21:30
スポーツ×新規事業 – 新たな価値創出への挑戦 –

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MARS CAMP第13期の第3回本講義が行われたこの日、世間はHalloween真っ只中。
日本に文化として根付いたのは比較的後発の部類になりますが、今やバレンタイン商戦を凌ぐほどの経済効果を誇るコンテンツへと変貌しています。

そんな中行われた今回の本講義「スポーツ×新規事業!新たな価値創出への挑戦①」のテーマは、奇しくもHalloween同様に日本国内のスポーツ産業市場では後発ながらも、今後圧倒的な影響力を持つことが期待されている新規ビジネス“e-Sports”がメイン!
(※エレクトロニック・スポーツの略。PCやビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際に用いる名称)

ゲストには、国内のe-Sportsさらなる発展に向けて最前線をひた走る、合同会社ライアットゲームズ ディレクターの齋藤 亮介氏にお越し頂きました!

ゲスト講師である齋藤氏がこれまでP&G、インテルなど名だたるグローバル企業にて勤めてきた中で、他の産業と比べても日本のゲームコンテンツに対する尊敬の念が非常に強く感じたことから、『e-Sportsもまだまだの市場なので、日本
が世界をリードする立場になれるのではないか?』と実感。
現状、e-Sportsは未だ日本国内において認知は高くないものの、昨今スポーツ業界でもにわかに注目を集めているコンテンツになっています。

しかし、そもそも“e-Sports”とは?という基礎の部分を理解するために、まずは講義冒頭にe-Sports の2014年に韓国で行われた世界大会の模様を写した紹介ムービーをお見せ頂きました。

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ライアットゲームズが運営しているe-Sportsのコンテンツである“リーグオブレジェンド(League of Legends)”※以下LOL は世界で月間平均1億人のプレイヤーを抱えており、LOLの世界一を決める大会には会場に4万人規模を集客し、運営上の観点から現在は2万人にキャパシティ制限しなければならないほど高い人気を誇っています。

その模様は実況・解説付きでTV・WEBでも放映され、昨年度の世界大会の決勝戦は約3600万の視聴者を集めました。エンターテイメント性の高い演出に観客は熱狂し、参加選手が負けた時には悔し泣きするほど感情を大きく突き動かす様はまさにスポーツそのもの。

そんな世界各国でLOLを運営するライアットゲームズ社の創業は約10年前。コンサルティング会社出身の創業者二人が事業を立ち上げて以降、一貫してLOLのみのゲームを提供し続けていながら、現在では世界18オフィス、社員2000人を超える組織にまで規模を拡大してきました。

しかし『ゲーム市場がある国の中では割と遅め。背景としてLOLはPCゲームであるため、コンソールゲームが主流の日本には馴染みが薄い。アジアではPCゲームのシェアが高いのに比べて、逆に日本は低くなる』と齋藤氏は言います。

そもそもLOLのようなPCゲームにとって日本のゲーム文化は参入障壁が高く、同時にe-Sportsとしても日本に普及を進めることは並大抵のことではありません。

それでも日本のソフトパワーに対する期待値は大きく、ライアットゲームズ社の日本法人は2014年に設立。
本日のゲストである齋藤氏はディレクターとして、eSportsの事業戦略作りと運営を行うことがミッション。

ライアットゲームズ社の事業は大きく分けて2つ。“リーグオブレジェンド(League of Legends)の提供”と“e-Sports事業”になります。

LOLのゲームの特徴として、お金によって強さは変わらず、オンラインゲームによくある課金型のモデルでないことが特徴。当初少なかったユーザー数も飛躍的に増加し、世界大会は2011年から実施され、2015年の決勝戦の模様は3600万人が視聴。2016年の世界大会の賞金額は5億円を超えるほどにまで急成長しています。

齋藤氏はLOLについて『スポーツ業界でいうとサッカーのようなもの。例えば、正面から崩すのか、サイドから攻め上がるのかといった戦略面。また、数的優位をいかに生み出し攻めるのか?というのも大事になってきます。これはまさにスポーツと一緒。このゲームにも正解はないので、だからこそリアルスポーツのように大会として成り立つ。』と言い、受講生にとってはe-Sportsと呼ばれる所以を垣間見ることに。

そのLOLを“競技”とした公式プロリーグの運営をするのも齋藤氏の仕事。日本においては2016年に公式プロリーグが設立され、ライアットゲームズ社はプロリーグ化を進めるため、各チームと契約を取りまとめ、LOLに集中できる環境の整備やゲーミングハウスのサポートも行っています。

プロリーグ1年目から、『まずはスポーツとしての立ち位置を強めたい』という思いで、頻繁にスポーツ興行で使用される代々木第二体育館を、エンターテイメントの要素も入れる為に、芸能人の結婚式等でも使用される高輪プリンスホテルの飛天の間を使用するなど、リーグの普及に向けた今季の仕掛けの裏側をお話し頂きました。

こうしたプロリーグの運営とLOLの普及を推進する上での指針は、ライアットゲームズ社のマニフェストにも現われています。

・プレイヤーの体験を最優先
・常識を疑え
・個人の能力とそれを活かすチーム重視
・遊びも真剣勝負
・志は高く、姿勢は謙虚に

『e-Sportsを見たときに何を思うか。サッカー小僧がサッカー選手を見て学ぶように、e-Sportsの世界でもプレイヤーに価値を与えることが最優先。この先のリーグ運営に関しては、まずは自分達で運営することが長期的な施策。』と齋藤氏よりリーグとしての在り方にも触れて頂いた上で、ゲスト講師の方の実務をじっくりと伺う“仕事のリアル”のパートでは、本講義のタイトルでもある「スポーツ×新規事業!新たな価値創出への挑戦」について伺っていきました。

e-Sportsのプロリーグ運営としてライアットゲームズ社が手掛けているのが、

・リーグのルールやスケジュールの設定
・世界大会などのスケジュールとの整合性
・LJL(トップリーグ)参加チーム数と下部リーグあり方の設定
・各チームオーナーおよび選手とのコミュニケーション
・世界大会参加時の日本チームの引率およびサポート

など、関わる業務内容は多岐に渡ります。

『まずはリーグ運営。やはりここが上手くいかないとどうにもならない。』と齋藤氏。『そもそも日本のチームは何チームでリーグを戦うのが正しいのかもまだわからない。なので、他のスポーツ団体の仕組みなどをヒアリングしながら、手探りで立ち上げていくしかない。』との言葉には、新規事業ならではの苦悩と同時にやりがいも感じられます。

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2014年に設立したばかりで、少数精鋭の組織体制の中、なぜリーグ運営までを行うのか?という問いに対しては、『そもそも委託できる先が無いというのもありますが、弊社の理念の元、まずは自分たちでスピード感を持って毎年クオリティを上げていきたい。』という考えをご教示頂いた所からは、ライアットゲームズ社のe-Sports普及に向けた本気度が伺えました。

そして、より国内リーグの強化を進めるための戦略として、選手の教育という点についても言及。
『リーグとしてもチームとしても成長していかなければならない。その為に、中長期的にみて何が正しく成長を促すかというと、選手のプロ意識とリーグの運営品質の向上。教育という点では、e-Sports以外の他のキャリアに進んでも活きる知識や経験を選び教育しています。チーム経営も各チームにやって貰いますが、弊社としてはそれを支える仕事も行っています。昨年と比べると選手のプロ意識の向上をすることができたと思います。』と行っている施策に対する一定の手ごたえと、リーグの強化・普及に向けた仕事の重要性は、他のスポーツ団体と変わらないことが体感できるお言葉が。

またリーグの収益UPとプロモーションを兼ねた事業となる、映像制作の分野についてもお話頂きました。

『韓国ではサムソンやSKテレコムのような大型企業のスポンサーも獲得しており、大会の中継をケーブルテレビを使って行う事が多くあります。ただ、試合の時間が読めないのでTVよりもWEBメディアの方が相性が良いという点もあります。』と齋藤氏。

そしてLOLのPromotion映像では選手や大会のPromotionビデオの作成を通して『ゲームは非生産性な時間が過ぎるイメージをもたれることもありますが、LoLについては戦略性やコミュニケーションの重要性なども含めて伝え、これまでの日本のゲーム文化を変えていくことが重要。』と既存のゲームの概念をe-Sportsが変えていくことが出来る点も社会的な意義になります。

こうして作り上げられたブランドを、事業としてはスポンサーに結びつける必要性があり、10代後半から20代の男性が多いe-Sportsの市場をブランドマーケティングの志向を元に、継続性のあるスポンサーを獲得することが求められます。

現在はチームによっては、10社程度の協賛を集めるチームも。ブランド力向上のパートナーとして、メディアとの関係構築も重要度が高く、ゲームメディアだけでなくスポーツメディアなどの他の媒体にもいかに取り上げて貰うかがポイント。リーグの盛り上がりと放映権の獲得はスポンサーへの提供価値を相対的にUPすることにも繋がります。

そして日本国内で現在実施されているイベントに関しては、新規のユーザー獲得ではなく、ユーザー満足度の向上をメインの狙いとしていながらもチケットは完売状態となっており、『長期的には武道館や国技館での実施も考えていきたいと思います。またイベントになるとユーザー数に比べ女性客が増えることは意外でした。』と、日本におけるe-Sportsの現在・今後の市場感についてもお伺いすることが出来ました。

海外ではサッカー日本代表の内田選手が所属するブンデスリーガのクラブ・シャルケ04がe-Sportsチームを吸収し、プレミアリーグのビッククラブであるマンチェスター・シティがe-Sports 選手と契約を締結するなど、ヨーロッパを中心にスポーツ業界の中でも注目を集めるe-Sportsは、日本国内ではJリーグクラブの東京ヴェルディが参入するなど、徐々に火がつきつつある市場になってきています。

e-Sportsの最前線をひた走るライアットゲームズ社の今後のリアルに関して、ゲストの齋藤氏は
『スポーツ業界内のほぼ全てのキーパーソンと関わることになると思います。会場を盛り上げる為にマネジメント会社と一緒に仕事をすることや、イベントもやりますし、例えば世界大会を日本に持ってくるとなった時に、じゃあどう旅行会社と連携し海外から人を呼ぶかを考えます。また興行を行う上で施設を抑える事も本当にキモ。スポンサーとの関係づくりやWEBの活用は必須ですし、多くの方の興味喚起をする為にメディア露出を獲得していくこともします。メーカーとは、当日会場でのグッズ販売のための商品企画やグッズ作りをすることで、プレイヤー体験を創出することにも繋がります。』とスポーツ業界ならではの多数のパートナーとの関わり方について一つ一つ丁寧にお話し頂きました。

齋藤氏が国内で東京ヴェルディがe-Sportsに参入したことに対し、『本職でスポーツビジネスをやっている方が入ってくると非常に助かります。チーム運営や選手管理のノウハウは学ぶべきポイントが多くあります。逆にスポーツ団体側からするとe-Sports市場はまさにホワイトスペース。』というように、スポーツ団体側から見ても新規顧客開拓にうってつけの市場でもあります。

また、今後e-Sportsの影響力最大化の為に絶対にやらなくてはいけないこととして、“選手の強化”を挙げられ、『サッカー日本代表はいまやキラーコンテンツ。またラグビーのように代表の躍進で急激に注目を浴びることもあります。e-Sportsにおいてもスポーツなので勝利を目指すことは必要。次は各チームの経営基盤を安定させること。チームの収益力をいかに高めるか。その為には改めてですが、我々も含めて人員体制の充実をすることが必要』との齋藤氏の言葉には、他のスポーツ団体と同様に、競技の普及・強化に向けた青写真が描かれていることを垣間見られます。

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講義終盤、ゲスト講師の仕事の流儀を伺う「プロェッショナル」では“チャレンジから学び、学びからチャレンジする”という考えを受講生に届けて頂きました。

『チャレンジから色々な成功も失敗も経験すること。その経験を自分の力にする必要があると思います。一方で仕事以外でも積極的に学び、それを仕事に活かす。新しい学びを元にさらにチャレンジをする。そうすると、キャリアの成長が加速すると思います。私自身もRiot Gamesに入社してからはそれまでよりも映画などの他のエンターテイメントの要素から学ぶことが多くあります。』と齋藤氏。

また求める人材に関しては、『会社としてはマニフェストを重視しています。また業界を超えて大事な要素は“リーダーシップ”、“問題解決力”、“コラボレーション”。主体的に取り組み、人に影響を与えられる人。問題提起し解決しながら進む事が出来る人。』という点を挙げ、新規市場に開拓者として関わることが出来る人が求められることを受講生たちも実感していた様子。

この日の講義を聞いた受講生からは

◎私はゲームを全くやりませんが、齋藤さんのお話や多くの映像を見たことで、こんなにも熱い「スポーツ」なのだと感じ、スポーツ業界の奥深さを感じました
◎ゲームをスポーツとして捉え、リーグとして組織化していく過程のお話は滅多に聞ける話ではないので、非常に貴重でした。他の競技団体のリーグの仕事でも活かせると感じました。
◎新規事業を展開していく上では様々な課題に直面すること、そしてそれを乗り越える為に必要な考え方を改めて理解することが出来ました
◎初めてe-Sportsというものに触れましたが、今回の講義でそもそもスポーツの定義とは何なのか考えさせられました。ビジネスとしての構造は一般的なスポーツ団体と何ら変わりなく、ホワイトスペースな分、この先のe-Sportsの発展に注目したいと思いました。

など、これまで未知の世界であったe-Sportsに対する興味喚起、スポーツ業界内の位置付けと新規事業創出に向けて求められる能力に対して理解を深める機会となっていたようでした。

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今回の講義に出たお話は、スポーツ業界に大きなインパクトを残すであろう「e-Sports」の序章のお話に過ぎません。
なぜなら、そもそもライアットゲームズ社の日本法人が出来たのが2014年と極めて新しい事業だから。

講義の最後にゲスト講師である齋藤氏からはラストメッセージとして、

『新しいムーブメントつくるチャンスって中々無いと思うんです。日本ではゲームをする人の地位は低い。これを高めたい。e-Sportsを普及・発展させるために今、様々なタレントが求められていますので、ココにいる皆さんもぜひ関わってください!』

とスポーツ業界とゲーム業界をe-Sportsで融合し、更に発展させていく事の魅力と、その為の人材育成の必要について熱量たっぷりにお話し頂き、講義終了。

スポーツの価値最大化に向けて・・・。
e-Sportsとライアットゲームズ社、そしてスポーツ業界での最新動向に要注目ですね!




▼e-Sports×スポーツ団体!要注目のイベントが開催決定!

11/25 秋の大感謝企画!MARS CAMP特別イベント
『RIOT GAMES × 東京ヴェルディ1969コラボイベント!
《SPORTS》と《e-SPORTS》 事業展開と親和性。最新の取り組みから新たな事業展開を考える』

世界的に見れば、スポンサーシップモデルにより盛りあがりに拍車がかかったe-SPORTSは、実はスポーツ団体とモデルが非常に近しい。そのスポーツ団体でe-SPORTS部門を設立し、専属プロゲーマーを募集、ファンとスポンサーの獲得や海外展開を掲げ、真っ先に仕掛けたのが東京ヴェルディである。1992年発足のJリーグ・オリジナル10として既存ビジネスモデルにおいて日本中の感動請負人となった東京ヴェルディが何故、e-SPORTSで仕掛けたのか?

世界規模でe-SPORTS最前線をひた走るLOLを運営するRIOT GAMES社と、日本国内のスポーツ界においてe-SPORTS最新施策を展開する東京ヴェルディの仕掛け人両者が登場し、《SPORTS》と《e-SPORTS》 事業展開と親和性。最新の取り組みから新たな事業展開、今後のトレンドや共にできることを考える豪華対談が実現!


●日時:2016年11月25日(金) 19:30~21:30
●場所:ハーモニータワー27F カンファレンスルーム(東京都中野区本町1-32-2)
●定員:40名(完全先着順)
●料金:一般 2000円(税抜)
●GUSET
合同会社ライアットゲームズ
齋藤 亮介 氏

東京ヴェルディ1969フットボールクラブ株式会社
パートナー営業部 パートナー営業グループ
兼 ファンデベロップメント部 ホームタウングループ
森 太郎 氏


▼詳細はコチラ
http://mars-camp.com/spevents/2016sp/ev_161125.html



Information

【2/1】MARS CAMP 2017 Spring & Summer(第14期)生の受付開始!

スポーツ業界人輩出500名を突破したMARS CAMPは4月から第14期の開催が決定。定員130名の限定募集!募集受付の締め切りは定員もしくは3月31日までとなります。

MARS CAMP生インタビューVol.55 ㈱ドーム 篠原氏【NEW!】

スポーツ業界人輩出500名を突破したMARS CAMP。業界内の様々な場所でCAMP生が活躍しています。今回は《UNDER ARMOUR》ブランドのアパレル企画として活躍中の篠原氏のリアル!

【2/16開催!】MARS CAMP第13期・14回はJリーグ国際部プランナーの小山氏が登場!

2017年2月16日(木)19:30~21:30 リーグ・協会の宿命 - 普及・強化に向けた青写真を描く者 –「Jリーグをアジアのプレミアリーグに…」というMISSIONの背景と、最新展開を開幕直前にお届け!

開催日程決定!2月18日(土)『Recruit CAMP2018 Vol.2 ~ナビサイト解禁直前!就活成功の切符を掴み取るのは誰だ!?~』

1月開催の「Recruit CAMP 2018 vol.1」は、満員御礼にて終了。第2回の開催が決定しました。

MARS CAMP生インタビューVol.53 アスルクラロ沼津・岩田氏!

スポーツ業界人輩出500名を突破したMARS CAMP。現在は業界内の様々な場所でCAMP生が活躍しています。今回はアスルクラロ沼津でクラブスタッフとして活躍する岩田氏のリアル。