栃木SCの“えとみほ”が語るスポーツチームビジネス×マーケティング展開の裏側

講座レポート

  • 対象講座
    進化を遂げるスポーツチームビジネス(1)
  • 日時
    2019年10月22日(火) 19:30~21:30
  • 会場

    【会場】ウィルオブ・スポーツ本社

    【住所】東京都中野区本町1-32-2 ハーモニータワー27F

  • 講師/ゲスト
    江藤 美帆詳細
  • ナビゲーター
    仲島 修平詳細

開講から10年目のシーズンを迎えたスポーツビジネスで活躍するための最速講座「MARS CAMP」。

満員御礼にて終了した学生コースに続き、第19期社会人コースの初回講座のゲストには、栃木SCの取締役マーケティング戦略部部長でありながら、愛称“えとみほ”としてTwitterのフォロワー数4.9万人を誇るインフルエンサーとしての顔も併せ持つ、江藤美帆氏をゲストに迎えて実施しました。

第19期からは当日のゲストに対する質問を事前に受講生から頂戴しており、江藤氏は前職にてIT業界スタートアップ企業の社長を務め、マーケ界隈でも多数の実績を残し、クラブスタッフへの転身を果たしていることから、スポーツチームビジネス×マーケティングに関わる質問や、現職に至るまでの経緯に関するご質問が多く寄せられていました。

講義冒頭は江藤氏に寄せられた質問とこれまでのご経歴についてお話し頂き、イベントスタート。

具体的なケーススタディを頂戴する仕事のリアルのパートでは『CRM』『チケッティング/企画チケット』『ソーシャルメディアマーケティング』についてたっぷりと伺いました。

江藤氏が現在担当している領域は『チケット』『商品化(MD等)』『飲食』『ファンクラブ』といった主にクラブのtoC全般を担うポジション。就任1年目となった2018年シーズンではクラブ過去最高の集客数/シーズンパスポート売上/商品化売上を達成し、さっそく成果を残しています。

その中で集客においては「クラブのホームスタジアムである“グリスタ”は屋根がないスタジアムなので、極力シーズンパスポートで購入していただきたい」と江藤氏が言うように、集客リスクを考えたときにいかにシーズンパスポートの購入者を増やしていくか?を考えることはクラブの事業において必要不可欠な視点。

ここでは、シーズンパスポートの特典について解説頂きながら、江藤氏が新たに投下したシーズンパスポートの購入者に選手の直筆サインを届ける“サプライズ施策”をご紹介頂きました。

サプライズを受け取った購入者が、その後SNSを通じて喜びを発信してくれる事までを想定した仕掛けであり、依然と比べて地元ローカル放送でのクラブの露出が減っている現状を考えると、SNSを通じてリーチを広げる展開を作ることの重要性は増すばかり。

また近年は、Jリーグ側からも各クラブがCRMを行いやすくなるよう環境整備が進んでおり、JリーグIDやワンタッチパスを使用し、ファンの属性・来場履歴などを取得し、その後の施策に落とし込めるように。

栃木SCでは取得しているデータを元に、年齢・性別でメルマガのタイトルや内容を変更したり、直近来場が無い顧客の方に”電話”で次節の試合を案内しながらコミュニケーションを取るなど、着実に来場促進と顧客ニーズの掘り起こしを行っています。

しかし「最近は名古屋グランパスさんがデジタルマーケティングに力を入れていますが、現状マーケティングに投資しているクラブはごくわずか。栃木SCの場合は、今はまだ愚直にメールマーケティングを行っています」と江藤氏が話した通り、限られた予算とリソースの中でマーケティング活動を行っていくことが求められるのが大半のクラブの現状です。

一方で「メールマガジンの開封率も非常に高いし、クラブの公式アカウントが開設すればすぐに数万のフォロワーが増えるのは、他の業界ではあり得ないこと!」という江藤氏のお言葉にはスポーツチームビジネスならでは魅力が詰まっていました。

また受講者特典としてここでは深くお伝え出来ませんが、CRMを進めていく中で挙がった「地元の人が“おらが町のクラブ”という想いを抱いていないのでは?」というクラブ課題の解決策の1つとして、昨今話題に上ったクラブ名変更について自治体とクラブの関係性を交えながらお話頂き、受講生のペンが止まりません。

チケッティングに関しては『新元号記念チケット』や『クラブ乗り換えキャンペーン』など次々と話題を生み出す企画を実施。また最新の事例となる『台風19号被災地支援チケット』に関しては、私たちには何が出来るか?という観点を元に、開催期間中だったラグビーW杯で行われている“思い出に残るチケット”をヒントに、全12種類のデザインを施した観戦チケットを販売し、義援金を募る展開も生み出しています。

仕事のリアル後半では、ソーシャルメディアマーケティングについてもクラブの事例を元にご解説頂きました。

『この領域に関しては専門家ではあるものの、正直クラブではまだあまり出来ていないです(笑)』とは江藤氏。というのもSNSマーケティングの最大化を図る上で、運用していく人材がいるか?予算があるか?でとれる施策が大きく変わります。

『今までやってきた仕事は広告宣伝費0から始めることが多かった。その領域が得意だなと思っています』という江藤氏が、まだまだ人材も予算も無い中で江藤氏が選んだのが、「ハッシュタグマーケティング」と「ソーシャルリスニング」。

ハッシュタグを窓口にしてSNSを通じてファンの声を吸い上げ、興行運営におけるホスピタリティサービスに反映。また「#はじめての栃木SC」というハッシュタグを見つけたファンがクラブとの想い出を語り始めた事をキッカケに、MDと連動して10周年記念本を販売。記念本の売り上げと合わせて広告枠のセールスにも繋がっていきました。

更にファンの声を集めた「週刊栃木SC」も発行しており、クラブの魅力を発信する広報担当者だけでは補いきれない情報をファンと共に展開しています。

「人はどんな時に拡散したくなるのか?」
「企業のSNSマーケはなぜ失敗するのか?」

マーケティング視点で運用していくポイントを伺いましたが、こうしたマーケティング施策を帰結させる場所がクラブのスポンサー/チケット/ファンクラブ/MDといった事業となります。また直接的な管轄ではないものの、法人セールスにおいては今後より一層『クラブを使って地域課題を解決することが求められる』というお考えもお伝え頂きました。

そして仕事のリアルのパートを締めくくる「3つの質問」にて伺った「マーケターにとってのスポーツ業界の魅力TOP3!」という質問に対しては、

1.ファンとのエンゲージメント/長期にわたってコミュニケーションが取れる。
2.人の価値観にインパクトを与えられる可能性があること。
3.アンコントローラブルで不安定。そんな不自由の中で施策を考えることが楽しい。

という3つを挙げて頂き、異業種からスポーツ業界に転身を果たした江藤氏だからこそより重みを感じるお言葉です。

当日の受講生からは

◎クラブのSNSマーケティングがどのように事業に結びつくのか学ぶことが出来ました。
◎限られた予算とリソースの中でマーケティング活動を行うことが求められるため、いかに共感を生み出すかが大事!心に刻みます。
◎普段からインターンでクラブの運営とSNSマーケティングをやっていますが、今の実務に活かせる視点が盛りだくさんでした!

上記のような感想が多数寄せられ、クラブの現状を踏まえて、これからのスポーツチームに求められる視点をたっぷりと学び取って頂き講義は終了。

 

江藤氏から当日の受講生に向けたラストメッセージでは

『入ってみると大変なこともいっぱいありますが、仕事にしないと分からない醍醐味があります!受講生の皆さんもぜひチャンスを見つけてスポーツ業界に関わって欲しいと思います。』

というお言葉を頂戴しましたが、江藤氏の仕事の流儀で挙がったキーワード「評論家になるな」というお言葉にもあるように、実際にクラブやスポーツ業界のリアルを体感した上で、自分なりのスポーツへの関わり方を見つけて欲しいですね。

MARS CAMP第19期の半年間が、受講生が事業を推進する主体者となるキッカケになれば幸いです。

 


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講師/ゲスト

株式会社栃木サッカークラブ
取締役マーケティング戦略部部長

江藤 美帆

1994年、米国留学中からマイクロソフト社でソフトウェアの日本語化などに携わる。
1996年に帰国後、フリーのテクニカルライターに転身。
2004年、英国企業のコンテンツライセンス管理会社を設立し、日本における「禁煙セラピー」の普及活動に従事(2010年に事業譲渡)。
2015年10月「スマホの写真が売れちゃうアプリ Snapmart(スナップマート)」を企画開発。
2018年3月スナップマート株式会社代表取締役CEOを退任し非常勤顧問に就任。
2018年5月より、Jリーグ栃木SCのマーケティング戦略部長に就任し、現在は取締役として同社のマーケティング戦略を統括。
また、愛称“えとみほ”として、4.9万人のフォロワーを持つインフルエンサーとしての顔も併せ持つ。

08年まで企業の外部人事部機能を担い、企業経営における人材開発・採用戦略の立案・導入を行う。08年よりマーススポーツエージェント(現:ウィルオブ・スポーツ)立ち上げ参画。アスリート・プロチームのマネジメント、スポーツイベントプロデュースなどを経験し、2010年「MARS CAMP」創設。現在は社内事業統括、新規事業立案・推進を担う。スポーツ関連企業の外部人事部としてスポーツ×キャリアをトータルでプロデュースしながら、2020以降に事業化・プロ化を視野に入れる各種スポーツ中央団体の事業パートナーとして各種プロジェクトを推進中。