東邦出版直々!書籍とスポーツの未来に迫る!

講座レポート

  • 対象講座
    スポーツライターをプロデュースする
  • 日時
    2013年1月15日(火) 19:30~21:30
  • 会場

    TKP新宿ビジネスセンター 11Fスカイ会議室

    東京都新宿区西新宿2-3-1 モノリスビル11F

  • 講師/ゲスト
    中林 良輔詳細

スポーツ好きな皆さん、スポーツに関する本は何冊持っていますか?

情報誌などの雑誌はもちろん、漫画も言わば本、これらを作っているのが出版社。出版社の存在があるからこそ、世に本が生まれる事になります。

今回は、そんな出版業界から、東邦出版株式会社の書籍編集部編集長である中林良輔氏にお越しいただき、書籍刊行におけるプロセスや、書籍×スポーツの今後についてお話いただきました。

 

今回取り上げるのは書籍。特に東邦出版では、スポーツに関する書籍は全体の約7~8割、特にサッカー関連の書籍では過去10年で100冊近く世に送り出しており、昨年2012年にも年間12冊のサッカー書籍を刊行しています。

ただ、スポーツ関連の本を読んでいる人、そのほとんどが雑誌を読んでいて、書籍となるとその数は少なくなっているのが現状です。

そんな中、冒頭で「東邦出版から刊行のスポーツ関連書籍を読んだことがある人?」との質問に手が挙がる受講生たち、それはどんな本?との問いかけに「サッカービジネスの・・・」との返答、この辺はこのマースキャンプに参加している、スポーツをビジネスにしたい人たちが集まっている、という大きな特徴でもありました。

中林氏にとっても、「これだけスポーツビジネス書籍を手に取ってくれた率が高いのも、珍しいですね。」と、その熱意の高さを感じ取ってくれたようでした。

出版におけるビジネスモデルに話が及ぶと、本の企画からその本が出来るまでのプロセス、出来てからのプロモーションまで横断的にご紹介。

いわゆる制作会社となる版元と呼ばれる出版社、そこから出来上がった本を卸す問屋、そして消費者の手元に届く書店まで、そこでいくらくらいかかるのか、具体的な数字も交えてご紹介いただき、そのリアルな現状と、今後は出版からキャラクタービジネスへの派生という意外な構想に関してもお聞かせいただき、受講生の驚きの表情が強く印象に残っています。

また、そこで編集長である中林氏と関わる人たちについて、相関図を使って説明いただき、本を書くライター・著者はもちろんの事、印刷会社や取材対象・そのチーム関係者など、様々な人と関わる事が容易に想像出来ました。

その中でも、やはり本を直接書くライターとの結びつきに関しては深く、サッカーの企画を多く手掛けている中林氏にとって、何が売れるのか見極める事が重要で、そこにはライターとの関係性が重要になってくる、とも。

それと同じように、編集長として扱いが難しいと頭を悩ませるのが肖像権元との関わりで、ロゴやクラブ名の書籍での取り扱いについての苦悩も、こぼれ話としてお答えいただきました。

中林氏自身が手掛けた書籍の中で、特に思い出深い書籍についてもご紹介いただき、

・憧れの取材対象かつ読ませる技術書として新境地を開拓した『ゴールキーパー専門講座』
・漫画と連動し、実際の選手・監督などとシンクロさせながら、Jリーグも漫画も両方楽しみ双方のファンを増やせる『ジャイアントキリングを起こす19の方法』
・自身のサッカー観戦に対する考えから、100の視点で解説する『サッカー「観戦力」が高まる』
・強化!指導者にこそ読んで欲しい、大学サッカー監督のマネジメント『なぜ流通経済大学サッカー部はプロ選手を輩出し続けるのか?』
・交渉までの苦労した裏話もあり、中林氏の思い入れも深い『I AM ZLATAN ズラタン・イブラヒモビッチ自伝』
・Jリーグ公認であり、J2をまるまる1冊取り上げた『J2白書シリーズ』

これら6冊について、企画から刊行までの経緯などもふまえてお話いただきました。

また、Jリーグのオフィシャルとして刊行された、なでしこJAPANを取り扱った写真集『撫子のキセキ』についてもお話いただき、サッカーの写真集は売れないとのデータの中、なでしこたちの編年史を盛り込んだポイントや、東邦出版がこの写真集を出すに至った経緯なども合わせてご紹介。

「この撫子のキセキをきっかけに、ゆくゆくは日本代表の写真集も出したいですね。」とは中林氏、

そこにはゲスト講師としてのご意見だけでなく、出版社の編集長として、仕事を愛し、サッカーを深く愛する者としての顔を覗くことが出来た瞬間でもありました。

今後の展開としては、本といういわゆる紙媒体と、ここ最近台頭してきた電子書籍について話が及び、出版業界の現状をふまえ、「紙媒体が衰退していくとも言われていたが、電子書籍が想像よりも売れていない、苦戦している部分も否めない。電子書籍内では売れている企画を出しても、まだまだ部数が少ないのが現状です。書籍を扱う者として、紙代がかからないという電子書籍のメリットも活かして、出版業界を盛り上げていきたいと思います。」との、中林氏のお考えも。

中林氏に挙げていただいた、スポーツ業界で活躍するための条件、仕事の流儀は、

『出したいと感じた企画をビジネスとして成功させる』

出したいと思う企画はたくさんアイディアが出る。ただ売れるような企画は経験から推測することが出来るけど、売れる事だけを考えた本は読者のレベルを下げれば容易だが、それではいつもの読者の満足度が下がってしまう。そこでどうやって出したいと感じる企画を、いかに売れる企画にするか、そこに編集者魂を燃やしたい!との事。

また、求める人材・必要な素養としては、
『1つのスポーツに対する深い情熱と知識。スポーツ全般に対する知識とトレンドを追える広い視野』

 

受講生からは、

●なかなか分からなかった出版業界・出版社のやっていることが少し理解出来ました。
●出版社はライターだけではなく、マネジメント会社や権元など多種多様な会社と関係を持っている事が分かった。
●「いい本と売れる本が異なる」という言葉が印象的でした。
●これまで抱いていた編集者に対するイメージを大きく覆された。
●様々なサッカー関連の本を読んできたが、その本ができるまでの過程は考えたことがなかったので、とても有意義でした。
●出したい本、出すべき本をいかにビジネスとして成り立たせるかという考えに共感しました。
●書籍と雑誌の違いや、その出版社の狙いなどが聞けて、非常にためになった。
●書籍の出版について、企画のプロセスからかかる費用まで聞けたので、ビジネスとしてのイメージが出来た。
●まさに企画職!という仕事が中林さんのお仕事なんだなと感じました。

と、読者として見る本の存在が、出版社や編集として考えたときのギャップを感じつつ、それこそがビジネスとして考えていかなければいけないポイントであると感じ取れたようでした。

最後に中林氏から、
「出版業界を目指す人、特にスポーツやサッカーを扱いたいと思う人は、東邦出版以外の出版社でスポーツやサッカーを扱って、私を驚かせるような人材になってもらいたいですね。
また、今スポーツに携わっていないような人にも、スポーツ業界を盛り上げて欲しいとも思います。サッカー界を見たとき、Jリーグとそのスポンサーがまだまだ連動出来ていないと感じます。
マースキャンプでスポーツビジネスに携わっていきたいという熱い想いを持った皆さんのような方々と、もっとサッカーと深く関われるように、ひいては社会にスポーツが根付くように、携わっていきたいですね。」
と、ラストメッセージをいただきました。

「出版業」という業種だけで志望を絞るのではなく、業種×組織規模、更には既存の事業も鑑みた上で、自身が強く実現したいことを今まさに推進中の中林氏から学んだものは
単なる「ノウハウ」よりも大事な、大事なスタンスだった気がします。
多くの受講生から「書店で探して、ぜひ手に取って読んでみたい!」との声が多かった今回の講義、ライターを目指す人、編集を目指す人、また出版業界やメディアを広報PRなどと連動させて考える人など、多種多様な角度からそのメッセージを読み取ってもらいたいと思います。

 


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講師/ゲスト

東邦出版株式会社 
書籍編集部 編集長

中林 良輔

1981年生まれ。兵庫県神戸市出身。東邦出版編集長。サッカー書籍編集者。
2012年は年間12冊のサッカー書籍を刊行し、過去10年で100冊近いサッカー関連書籍を世に送り出している。
自身が編集を担当した書籍「フットボールの犬」(宇都宮徹壱/著)が第20回ミズノスポーツライター賞の最優秀賞を受賞。